仕事が忙しくて後回しにした私が、検査結果を聞くまで
夕方の診察室。呼ばれるまでの時間、スマホで仕事のメールをチェックしていた。数週間前の健康診断の結果、「要精密検査」の文字が頭の片隅にずっと引っかかっていたけれど、「まあ、大丈夫だろう」と見て見ぬふりをしてきたのだ。
佐伯 結衣さん(仮名)(35歳・会社員)
「多少の不調はいつものこと」と、自分の体のサインを後回しにするのが当たり前になっていたといいます。
健康診断の結果が届いても、「また、何か引っかかったか」程度にしか思わず、再検査の必要性を感じつつも、仕事の忙しさを理由に放置してしまっていたそうです。

質問:最初に「要精密検査」という結果を見たとき、どう思いましたか?
佐伯さん:「やっぱりな」という気持ちと、「まあ、大丈夫だろう」という気持ちが半々でした。
毎年、何かしら引っかかるんです。
コレステロール値が高めだったり、貧血気味だったり。
今回は確か、肝機能の数値が少し良くなかったはず。
でも、自覚症状は全くなかったので、深く考えないようにしていました。
質問:その後、すぐに再検査を受けようとは思いませんでしたか?
佐伯さん:それが、なかなか時間が取れなくて……。
言い訳になってしまうんですが、本当に忙しかったんです。
新しいプロジェクトが始まったばかりで、毎日終電近くまで残業していましたし、土日も出勤することがありました。
「これくらい、よくあること」と、自分の不調を無視していたんだと思います。

質問:何か、体の変化に気づいたことはありましたか?
佐伯さん:今思えば、小さなSOSはたくさん出ていたと思います。
例えば、朝起きるのが辛くなったり、日中ぼーっとすることが増えたり。
でも、「疲れているだけだろう」と、睡眠時間を増やしたり、カフェインをたくさん摂ったりして、ごまかしていました。
質問:他に、何か気になることはありましたか?
佐伯さん:そうですね……。
一番気になっていたのは、肌荒れがひどくなったことです。
今まで、あまり肌トラブルに悩まされたことがなかったんですが、その頃は、ニキビが繰り返しできたり、乾燥がひどくなったりして、ファンデーションがうまくのらなくて、気分が落ち込むこともありました。

質問:再検査を受けようと決めたきっかけは何だったのでしょうか?
佐伯さん:ある日、会社の健康診断を担当してくれた産業医の先生から電話があったんです。
「佐伯さんの検査結果、少し気になる点があるので、早めに再検査を受けてください」と。
その時、「もしかしたら、本当に悪いのかも」と、初めて不安を感じました。
質問:その時の心境を教えてください。
佐伯さん:正直、すごく怖かったです。
もし、何か悪い病気だったらどうしよう、と。
でも、同時に、「ちゃんと向き合わなくちゃ」という気持ちも湧いてきました。
自分の体を大切にしないと、仕事もできないし、大切な人たちとの時間も楽しめない。
そう思って、すぐに病院に予約を入れました。

質問:もし、過去の自分に声をかけることができるとしたら、どんな言葉をかけますか?
佐伯さん:「もっと自分の体を大切にしてあげて」と言いたいですね。
忙しいのはわかるけど、自分の健康を犠牲にしてまで頑張る必要はないよ、と。
少しでも気になることがあれば、早めに病院に行って、専門家の意見を聞くべきだよ、と伝えたいです。
そして、「あなたは一人じゃない。つらい時は、誰かに頼っていいんだよ」と、優しく背中を押してあげたいです。
【編集部より】
佐伯さんの体験談は、私たちに「自分の体と心に向き合うことの大切さ」を教えてくれます。
多忙な毎日の中で、ついつい自分のことを後回しにしてしまいがちですが、少しでも異変を感じたら、迷わず専門機関に相談してみましょう。
誰かに話すことで、気持ちが整理され、新たな一歩を踏み出す勇気が湧いてくるかもしれません。
